わーきゃー

愛さるとれいなの胸騒ぎだー。ぼくの胸の中で二人がわーきゃー騒いでいるというの。プレイボーイになりたいんだ。aikoが「また一からはじめましょ」と唄った。アルバム「秘密」をついに手に入れた。10年プロで唄ってるらしい。アレンジャー変わってないでしょ、島田さん。偉大は継続で、泥臭いものだ。ある種の退屈も反復次第で偉大になりそう、とうそぶく。今までのどれよりピアノの音色が美しいアルバム。のどにポリープか何かできて唄えない時があった。ラジオで辛そうだった。このアルバムきっと何度も聴こう。
れいなが後ろ手にピースをしてる。そういうことなんだと思う。ほんの少しのことでどうにかなってしまう。とても淡いし脆い。玄関で靴をはいて右足を出すか左足を出すかで風景が変わる、生活は恐ろしい。習慣の中で眠りこけるのは本当に気持ちのいいことだ。でも地球は落下し続けていて、そこでは人間の物語なんてチンケなもので、突然「ペシャッ」と全部つぶれる。太陽系も一度に全部つぶれる。筒井康隆の短い予言。つぶれて初めて落下していたことに気づく。
とてもとても愛おしい。れいなのピースが愛おしい。後ろ手でピースをしている。カメラマンに催促されたのだろうか。わからない。ぎこちなさがかえって自然なように見える。れいなの決めポーズはきっと1億はあると思う。鏡がくたくたになるぐらい努力する子、といってみて、何か見てきたかのようだ。光って視覚とか視線のためにいつまでも残存してそうで、スケベですね。光のせいにした。もう片方の手は自分のスカートの縁をつかんでる。白い布に包まれている。ひざ小僧を抱えている。ほんの少しのことでどうにかなってしまう。大きな目で何を見ているのだろう。同じものに全く別の名前をつける、そんな作業を繰り返す。別の名前をつけたら、心が助かる時もあるのかもしれないけれど、たいがいそうではない。きっとそれはまったく多いことでないだろう。飽き飽きするぐらい多いことでないだろう。それでも名前をつけ続ける。偉大は継続で、泥臭い。歴史に何も学ばない。歴史は繰り返さない。繰り返していても知りたくないし、繰り返さないで欲しいのかもしれない。いやぼくは歴史を経験なんてしやしない。未来のことを約束してみて、する前からもう鬼が笑っている声が聞こえる。未来は過去みたいにある。ベンヤミンのキーワード「個物の救済」。個物が個物であることなんて不可能に思える。
愛さるの胸のほくろがぼくをにらんだ。二人ともセクシーだ。ピンクレディーみたい。セクシーセディ。あなたは何をしたの。皆を愚かしくしちゃった。あなたはなんてことをしたの。宇宙の膨張をつとに感じる。だって皆バラバラに散らばっていってるのだもの。今よりもう少し近かった気がする、でも、この内省に意味はあまり感じない。同時にこの成り行きはとても自然に映って、興味深いから。無理してバラバラになっていくわけではないのだ。