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勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス (岩波ジュニア新書)

勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス (岩波ジュニア新書)

高校生の頃にこの本を読めば自分はどうなっていたか。高校生の頃の自分は今にもましてぼんくらで、なので愛しい存在でした。自分でそういう風に表現できます。さようならあなたあの頃の己、って具合です。しかし彼はきっとこの本を読もうと思わなかったでしょう。
「動機(付け)」は大事、なのだけれど、それさえも前提とされる価値観があってのことか、と言えるとしたら。きっと昔の自分はこの本を読む理由を持たなかった。価値観はやっかいだ。人は何で動くか?ということだろう。わたしは今だってある程度以上ひねくれている。その頃だってそうだった。そういう価値で動いていたし、動いている。しかし、あるいは、それらすら織り込んで、人間が勉強する学習するということを考えている本か。
いい本です。読書対象者は一応中高生であるので、主題とするところではそうでないかもしれないが、内容の範囲は受験勉強の実践を包含してなお余りある。認知心理学の立場から、一般にある程度以上の高度な言語処理、概念処理を伴う、学習、勉強について言っている。これは強力だし面白いバランスだ。なぜか。それらを「社会」が社会的な価値として求める、要請する。そしてそのことを人間の認知心理的な処理の仕組みを明かすことで、明かして、グルグル回ってるようだから。んー、どうなのか?どっちが先なんてのは別で。
直接的にそれとして書かれていない範囲は、暗黙知とか身体知あたり、目で盗むこと、行為で表現すること、感性的直観とか?あたり。ただ、そういうのも分析的に扱おうとしてたりする。ある程度、それらを方法として、記述してる。やみくもでない。この著者の他の本も読みたい。わたしの動機は何だ?