いぇーい

おぼっちゃまくん (7) (幻冬舎文庫)

おぼっちゃまくん (7) (幻冬舎文庫)

おぼっちゃまくん (8) (幻冬舎文庫)

おぼっちゃまくん (8) (幻冬舎文庫)

最終巻に行くにしたがって、それまでギャグとして笑えてた部分をひっくり返した、という風に見える。お金持ちがはちゃめちゃにお金つかって、大層下品で、普通やら常識やらをこけにする痛快さ、おかしさとして一貫してた部分。これら最終部でも大体同じことしてるんだけど、それらは急に他人面、表面的なもののようで、後味悪く感じる、そう映ってしまう。お金持ちだけの問題ではなくて、ぎゅっと濃縮、人間のどろっとしたはなしになる。具体的なカウンターパートが現れて、対照になるからか。あるいは話がそれまで以上に突飛ってことも大きくあるかもしれないが、急に物騒になる。親子愛やら、お金やらにその存在を動揺させられる対照。それまで当たり前に許容されてきたことが一気に醒めさせられる。読者対象の想定が児童だろうこともあって、色々の配慮からかシリアスで終わるのでなく、人間のどろどろの疑問は問題は一応回収される。でもそれは、ただ蓋してるだけだよねー歯がゆいと、齢30になるお兄さんが素直に感じるところを素朴に書く次第です。小学生の頃、最後まで読まなかった。自分の中で完結できて嬉しい。