タイラシゲルが20歳のハッピーバースデー明けてこっち、皆が皆ぱふゅーむぱひゅーむと言い出し、というよりは、重なったイベント、シンクロニシティにより声のデシベルが上がったという方が正確だろうか、カウントダウンライブに行っただの、PTAはPTAであってPTAでないなどが漏れ聞こえ、その数がバイバイゲームの如く増えて、どうも四面楚歌的に取り巻かれている状況、これら茨の囲みから脱出したい脱出したい、という被害妄想ペルソナが急遽発動してもおかしくはないわ、と一人のシゲルがつぶやくのもいちいち頷けるのであります。あ〜ちゃん、のっち、シゲル、かしゆかの4人・・・名前の順番に並ぶとどうか?背の順番なら?僕はまだ彼女たちの顔と名前をアイデンティファイできません。何せ、人間の顔の判別力、認識力については霊長類はおろか、イヌ科ネコ科以下であると、己でお墨をつけたのですから。ぶっちー小渕さんが平成という元号がいいなといい、その5秒後にタイラシゲルさんが生まれ、あ〜ちゃん、のっち、シゲル、かしゆかが軒並み産声をあげる、という保育ケースの群れの中、おやおやよくよく聞いてみると、シゲルだけが「ぱ、ぱ、ぱ、ぱ、ぱ、ぱ、ぱひゅーむ」と予言者のように唄っている、これはいけないと僕はその赤子を抱き抱きさらってしまったのでした。それはまだ早すぎるぞシゲル、と思ったのです。しゃにむでした。そして今、返します、シゲルお行き、育ての親よりやはり生みの親なのよ。ヤスタカさんは苦笑いしました。君のシゲルで24人目ですよ、と。