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黒魔術の手帖 (河出文庫 し 1-5 澁澤龍彦コレクション)
- 作者: 澁澤龍彦
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1983/12/01
- メディア: 文庫
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この『黒魔術の手帖』は、ようやく私がオカルティズムの領域に近づき出した、まだほんの初心者のころに執筆されたもの
と文庫版あとがきにある。
内容は、占星術やタロット、ホムンクルス、黒ミサ、錬金術、ジル・ド・レエなどいろいろ、古文献などの渉猟から。
だいたい魔術というものは、どんな種類の技巧呪術であれ、決して一定した理論によってことごとく合理的に説明し切れるものではない。魔術を用いる人間がつねに問題なのだ。
とあり、これが著者における一貫した関心のありかを示唆するように思う。合理と非合理、神聖と涜神などのように相反すると考えられるものの構成が実は紙一重であり、それらにどうしようもなく関わらざるをえない人間精神の、ぶれというかどろどろしたものへの関心、嗜好。表現するに形容するに偏見を避けられないようなもの。
- 作者: 澁澤龍彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1983/05/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 芥川龍之介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1968/11/19
- メディア: 文庫
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「蜘蛛の糸」は元ネタがあって、話としては大体そのままらしいが、やはり諸説あるようで。ロシア民話のそれ(「一本の葱」)と、アメリカからロシアに逆輸入(トルストイによるとのこと)紹介されたもの、インドの仏教説話なら、更に古いだろう。どれがいわゆるオリジナルか、これらがどのように関係しているかはわからないみたいだが。
カンダタは蜘蛛を殺さなかった。これは一生謎だ。