かめいのかはんしん#29

某雑誌風インタビュー
 
 
9月14日で二十歳になるモーニング娘。高橋愛
約1ヶ月間40公演にものぼる「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」で主演を演じきった彼女が得たもの、そして二十歳の彼女のこれからとは?
 
−唐突ですが、高橋さんのオバQみたいな口がかわいい。
 
高橋愛 ありがとうございます。オバキューって何ですか?
 
−ええっ?オバQをご存じないとは(ショック)・・・
 オバケのQ太郎のことですよ。(絵を描いて示す)
 
高橋 わーっかわいい!絵上手ですね!オバQ知ってますよ。
 
−高橋さんオバQよりもかわいいですよ。じゃあ次、
 高橋さんのロリ声がキュート。
 
高橋 ありがとうございます。そんなキュートじゃないですってぇ(低い声)ヒャヒャ
 
−そう、その低い声との対照が武器だよね。
 
高橋 ロリ声って何ですか?
 
−もうえもいわれぬ幼くてかわいい声のことです。
 
高橋 ああ〜〜。美貴ちゃん(藤本美貴)の声もかわいいですよ。
 
−そうですね。彼女のロリ声もいいね。じゃあ次、
 高橋さんの総じて頑固なところが好ましい。
 
高橋 わたしホント頑固なんです。こうだって決めたらもう
   絶対こうで曲げない人だから。
 
−そういう高橋さんが素敵なんです。次、
 高橋さんのとんちんかんなところが微笑ましい。
 
高橋 とんちんかん?えーそんなことないですって。
 
−みんな多かれ少なかれそう思ってますよ(笑)
 
高橋 そうなのかなぁ。(性格が)変わってるってよく言われますけども。
 
−次。高橋さんのおっぱいの上のほくろはモノリス
 
マネージャー ちょちょちょっとその質問は、無しだって言ったでしょ。困ります。
 
−やだい。愛ちゃんのおっぱいの上のほくろはモノリスかどうか聞くんだい。
 
マネ 大体質問の意味が分からないじゃないですか。止めてください。
 
−やだいやだい。
 
高橋 ・・・モノリスです。
 
−!?
 
高橋 モノリスです。
 
 
と彼女が断定したその瞬間に、まるで見たことのない奇怪なCMが眼前を数本流れていった。私がそれらをCMであると判断するのは、それらの連綿とした流れが大体15秒毎にその様相を切り変えていくからである。しかし与えられるべき商品名、ブランド名のぼんやりとした欠如が薄ら寒く、私の居心地を悪くさせる。
CMを流すモニターはモノリスだった。俺はモノリスを見ていたのか、と心の中でこだましている。モノリスも私を見ていた。モノリスの前に私と高橋愛はぼんやり立っていた。いや、彼女はさも当たり前のことの様に厳然とそこにいた。高橋愛は他者だった。
 
高橋 わたしホント頑固なんです。こうだって決めたらもう
   絶対こうで曲げない人だから。
 
彼女のくりくりとした瞳に宇宙の真空が映っているようだ。私は1秒後にきっと潰れて沸騰し始めるだろう。彼女の瞳の中、他に何が映っているのか、それを確認したいと思う。私は彼女の方に歩を進める。モノリスがじっと見ている。