あやや考/いいえ

あややは二十歳の小娘、だと言い切りたい気分もある。
なのに何故か彼女は意味不明なパワーを持っていて
彼女の実年齢は拡大、霧消させられる。
(彼女が実年齢より年上に見られることは、視覚の領域で決して解決しない。
 それをその領域でネタとして扱うことはあるいは気が楽なだけなのだ)
 
思想のろ過機関である精神としてのあやや
 
彼女が唄う時、
「早すぎた恋でしか確かめられないもの」がある、というテーゼは
軽々と普遍に昇華してしまう。
誰がこんなことを唄える?
多分作詞家はそこまで意図していなかったのだと思う。
つまり普遍を。
 
何で幼いあややなんかにこんなフレーズが唄えるのか、
唄えるならそれは、幼い思想なだけだ、そんな風に
唄か彼女に幼さを指摘して笑えるような余裕を
私は全く持たない。
 
「早すぎた恋でしか確かめられないもの」
それはただのロマンチシズムではない。
認識でもない。経験論でもない。
思想のレベルだ。そして思想はいつでもショッキングだ。
 
あややという思想