タイトルだけでいえば、35歳まで、でなく、15,6で読めるといいのかも、という本。就職活動前、それ以前大学入ったぐらいにこの本に出会えたら、少なくとも単純に時間、年齢の観点から、この本の内容、趣意を実践していける可能性がある。その年代の若い人は読んでください。ぎゃーか、ふむふむか、けっとうっちゃるか、色々反応あるだろう。私はその頃ならけっとうっちゃっただろうし、今は32歳でぎゃー、ふむふむ、と思うところもあるし、また別に思うところもあるわけです。

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時々刻々激変していく国際的な労働市場に相対しながら、日本の会社社会、その歴史、慣行など諸々の条件下で、動機と能力を、市場価値を持った仕事として戦略的に発揮していく、という内容。その成功例のインタビューも幾つか。

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書かれているような成功例はどれぐらいなのだろうか。成功の例があるなら失敗の例もあるだろうし、失敗の方が多くてもまあそういうものだろうなとも思う。そもそも、この実践を意識的にしろ無意識的にしろやってのける、やっていこうとする御仁は如何ほどいらっしゃるのか。また、この競争のスタートにすら立てない人、あるいはあえて立たない人もいるだろう。翻るに、著者は自身のキャリア論を唯一至上のものと主張しているわけではない。ただ、今までのやりかた、社会的伝統的な範に基づく仕事の仕方(年功序列とか終身雇用とかのバックグラウンドが一律で無くなってるのかどうかわからない)では、保障が脆弱だからこれからより色々リスキーになる一方であるし、あるいは収入の面からは今まで享受してきた暮らし、生活を享受できなくなるだろう、ということをデータ化してた(ちゃんと出典出自確認してない)。

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で、国策、雇用政策、教育という話はともかく、また新自由主義的な、リバタリアンなどイデオロギー、成長神話などはともかくと、信条、価値論は置いとくとして、書かれていること特に「動機」「能力」についての分析や、働くことに関する諸価値観諸概念(ワークライフバランスとか)に参考になることがあったので、それらアンカーにして、より広範な一般的な人間の営為にまで敷衍できたら、上記のビジネスパーソンではない人の生き方の方法論におけるヒントにできるのではないか、と。

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引用たくさんされてた「プロフェッショナルの条件」は読みたいな。