バオーン

不安の立像 (ジャンプスーパーコミックス)

不安の立像 (ジャンプスーパーコミックス)

ジャケ買い。73年から84年までの短編9本。
ロマンティックなのや、ユーモアなオチがあったりするも、やはり、後味が悪い、日常だったり正常だったりを、疑問視させる、気持ち悪さを感じさせる作品。誰も助からないし、結果、そういう状況に慣れさせられる、慣れてしまうという、嫌な汗。
鬼太郎夜話 (ちくま文庫 (み4-16))

鬼太郎夜話 (ちくま文庫 (み4-16))

67年から69年までガロに連載されてた作品とのこと。
そこここで、作者の他の鬼太郎シリーズの作品、話の着想、モチーフ、それらシーケンスが透かし絵のように出てくる。さらっと確認すると、それぞれ年代的にかぶってたりするのかもしれない。成立事情について想像をかきたてるものがある。
夢見によくあるような、連続性の喪失、その自明性みたいな印象が面白い。例えば、主人公がどんどんどんどん変わりまくるようである。かと思えば、メインであろう鬼太郎もキャラが一定でないようだったり、話の理路や一貫性がアンバランスだったり、画風もぐいぐい変化してるようでもある。そしてそれらがまるで全く当たり前であるような。それらの、どこまでが意図されたものなのか、また制限によるものだったのか、ということに関しては材料も無いので推測するしかない。とにかく時代が違うので当然と言えば当然か、あらゆるもの、言葉遣い、コマ割り、ストーリーなど諸々が今の漫画のスキーマにおけるそれらと異なってて、新鮮。これは水木しげるの個性なのかなんなのか。