25~ヴァンサンク~

25~ヴァンサンク~

 
新曲

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「愛しき人」
倍音ギンギン(リングモジュレーターか?)のオルガンかな、
リディアンフレーズではじまる、異化の8ビートのイントロ。
ストリングスが大活躍、リズムを牽引する。
シャリシャリアコギ、ピアノが味付け。
二人称が「君」。安倍さんの母性。
 
「大人へのエレベーター」
アコギのステレオ、役割LRでチェンジ。
「大人になること」について
安倍さんが「なっち」(それが子供っぽさを含むとして)
を客体化してるような、余裕がある。
具象としての唄い方が子供っぽく響くのだけど
それが技巧によるものなのではないかと、穿ってみる。
ああ、なっち、何だか大人になってしまったなあとしみじみした。
 
「25〜ヴァンサンク〜」
安倍さん、すごく丁寧に繊細に唄う。
コードのシークエンスも繊細。
これはコンサートでどう唄うのかなと、気になる。
唄うに、凝縮した難しさがあると思う。
 
「くちびるで止めて」
アコギのカッティング、パーカッション
楽器という楽器が、16分音符に満ちてる。
呼応するようになっちもノリノリだし。
コンサ映像が浮かぶよ。
 
「月色の光」
琴ぽいピチカート/スタッカートが入ってて、
それがタイトルとあいまって
エキゾチックでもある、壮麗なバラード。
サビのファルセットがとても心地よい。
 

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ここに「スイートホリック」「甘すぎた果実」が入る、と。
 
音楽的、普遍のポップ。いい意味でなっちが透明。
例えばどこかの街中でそのまま匿名のBGMになってるかもしれない。
でもそれはなっちらしくないとかじゃなくて
例えば二重化って言ってみて、しっくりくるかどうかわからないけれど
ヲタ(なっち史観を知ってる者)が知ってるなっちと、
知らないなっち、というような、そんな二重。
 
表現の豊富を堪能できる。やっぱり技術的にうまくなってるし
それが表現力を支えてるんだと思う。
先行シングル入れても、とてもトータル色が強い1枚かと。
アレンジャー陣は大人の落ち着きというか。こはの☆☆☆と対照的な印象。
☆☆☆はいい意味でガキンチョだよな。とにかく
来るべき生コンサートへの予感・触発がどこかにあったのだろう、
と結果論的締め。
 
なっち⇔安倍さんのスタンダードか。
ただなっちには、お茶目とかおばか、面白があるし、
それらは封殺するには惜しいよなあ。