夏の匂い

多分
しみハム」的サムシングは
誰の心の中にもある。

                    • -

しみハム」が一様に喚起する
甘酸っぱさ。
 
ひどく暗愚だった(相対的に、だが)
ことが後ろめたい
はずかしい、そんなローティーンの
群青色より濃い思い出。
 
それは一瞬だったし、
しみハム」も、今、一瞬だ。
皆既日食の薄暗がりにすっぽり
入ってしまうような
「今−しみハム−昔」の図式、
三重の一瞬が緩い引力関係の婚姻だ。
奇妙な姻戚。
 
完全に終わってしまったことが豊かだと
生きていることが少し楽しい。
今を大事にする必要なんて少しもない。
 
というわけで
今を全部かなぐり捨てて
心の中のしみハムを探しに
羽合温泉に出かけます。
多分いないよね、しみハム