両曲とも♂節。
イディオム単位でアイデアの発露を頑張るが
現行の支配的な形式には抗わず、という印象。

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Ambitious!野心的でいいじゃん」では
サビ頭の1ライン。「ジャンプジャンプ テイクオフ〜」ってところ。
頭から掴みのテクがたくさん。
メロディはこの曲中で2番目に高い音から始まる。
そのリズムは4分音符でドンドンと。すぐあとに8分の3連でドンドンドン。
長さで言えば、最初のドンドン=後のドンドンドンなんですね。
発破するリズムがそこにはあり、アレンジはそれに呼応してます。
 
それから同時に違和のコードを一個放り込む。これは例えるなら
家族点呼してたら、あれ、こんな家族いたかしら?ってやつが一人。
確かに家族に似てるし、返事もそこそこ元気でいいんだけど、うーん、というような
ちょっとしたオカルト。ドキッとするわけですね。
「トロピカ〜ル恋して〜る」のサビでもやってました。
 
これらを頭からやっておいて惹きつけて、ってパターン。

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対してAメロの雰囲気は地味目だが
メロディ自体を取り上げてみると結構面白かったりするわけだ。
 
Aメロ−Bメロそしてサビへ、という一連の流れが
とてもステロタイプで「現行の支配的な形式」ってのは
ぼんやりそういう意味。メロディの大まかな流れが
それにいいコチャンで追従している。

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で、♂はあえてこうしているのだと推断するが
要は彼の「不真面目という真面目」「不真面目を真面目に」
という王道テーマの現われであり、
それは同時に皮肉のニュアンスを持ったりもしうる。
 
彼は勿論「現行の支配的な形式」を知っている。
そしてその上でそれをやってるのだと思う。

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アレンジへの彼の言及がどれほどかってのはそれこそ曲によって
度合いが違うだろうけれど、この曲に限ればかなり関わってると思う。
その関わり方は、直接的な細かい指示をした、口出ししたというものではなく
ぼんやりとだが、大きな影響力を与えている、といった格好。
 
この曲の総体の印象に関して「アニソン」という単語を見かけた。
「アニソン」は当世流の「アニソン」ですよね?
かっこわるいがかっこいい、みたいな逆説がそこには込められている気がするが。
テクニカルやフィジカルをバカにしつつ、褒め称えるといった2段構え。
ギターとかシンセのフレーズ、総体のリズムがそういう印象を喚起するのだろうと思う。
間奏なんてその最たるものだよな。
 
♂にとっての「アニソン」観がどういうものかはわからないが
多分そのバカにされ褒められる「アニソン」をもう一回
バカにして褒め称えてるのだろう。
そして、それは意識の度合いを問わず、♂の機能だ。
 
というわけで
ただの♂マンセー文章になってるじゃないかプンプン!