ファルセット

砂を噛むように・・・NAMIDA

砂を噛むように・・・NAMIDA

両曲ともに
あややの歌唱力を存分に活かしたバラード。
歌手としてのあややの強みは
数々の彼女のカヴァーなどに如実に表れているし今更か。
♂おっさんからいつでもうまく離れていけるだろう。

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詩的に言ってみるに
よくもわるくも唄としてのバラードは
いつかありきたりになってしまう
必然性を持っている。
音楽的形式におけるありきたり
感情喚起におけるありきたり。

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ありきたりは聴き手の反復に優しい。
それは今は亡き歌謡曲の大前提であると思う。
謡曲は昭和の大衆自我の管理機能として働き、隠居した。
このあややの2曲はそんな機能性の手触りを
懐古的に与えてくれるような気がする。
少なくとも私にとってこの2曲は
謡曲だ。