コジコジ銀座

yomayoma2005-10-30

 日曜の生田通り、ハンズ前は無法地帯と化す。何が歩行者の権利だ、義務の無い権利なんて無効だと僕は助手席の才女にボールを投げる。そして産まれ出でてから幾億回目の後悔をする。思えば後悔する為に産まれたのかもしれない。才女はまぁまぁとたしなめてくれた。心理戦でも不利だな。
 兵庫県生まれ、ということで神戸三宮にドライブである。安直といえば安直か。彼女がここを訪れたことがあるのかどうか僕は知らない。恐らく無いだろう。いやあっても無くても別段構わないのだ。デートマナーとかくそ食らえ。車が1メートルは動く。
 三重駐車をやってのけるヤツもいて、一方通行路もさながらカーニバルの様相。ハザードをたくのが遅い、と思う。鳴らせないハードクラクション。運転すると性格が変わる僕は才女に謝りたくなった。つまり極端なのだ。乱暴に空気を悪くしているしその実弱気だし。悪循環。そう言えば、ハワイで学んだ、ハワイではクラクションむやみに鳴らすと法に触れるって話だっけ。騒音を取り締まる観光国イズムだっけか。ストリートで演奏してる奴らの音楽が雑踏を切り裂いてきて、それで何故か、本当に何故か自分を取り戻す。
 「左手に見えますのは」車列の向こう指し「東門街です。歓楽街で、ライブハウスなんかもあります。生田神社の側門があったり、客引きのあんちゃんがたくさんウロウロしてるので、アヤカ君行っておいで、さながらうんこにたかるハエの様に彼らは君にまとわりつくだろう」僕冷静だわ。冷静に酷い低学年なネタ言ってるわ。才女はクスクス笑ってるけど。「いや失礼うんことかププッ」「あっププッって言ったけどおならつまり肛門の挨拶じゃないよ」才女は僕の目をまっすぐ見て笑っている。そろそろシモネタも潮時なのだ。横断歩道の前で停車する。
 「おーい」とボンネットを平手で叩くコがいる。いやいやボンネット熱いし、第一何処の輩だよこのサングラス女は。折角いい雰囲気作ろうと頑張ってるのに、とサングラス越しに見えた瞳は姫路のあのコのそれで、小顔の上にお団子頭、白いジャケットは停車中の車後部座席に軽やかにそしてズバッと滑り込んだ。「買い物付き合ってくれる?」あややショッピング!今年僕天中殺だっけか。才女はもう笑ってない。
 
というわけでアヤカ誕生日おめでとう!