どうしてこれが恐竜の卵の化石だと断定できるのか。ナウマン象のウン

yomayoma2005-05-19

初夏の怪奇譚をば一つ。
 
5月17日火曜日。雨が降りそうな雲の按配。電子楽器の水分に対するデリケートを思いながら、帰途に着く。大阪から神戸へ。東→西。PM11:20。
 
ライブ帰りということで、体力は今にも尽きかけんとす。帰りたくないのだ。「帰りたいけど帰れない♪」じゃない。演奏で帰る力にも手を出してしまったのだった。小旅行の道連れ、我が電子楽器、その総重量は20キロオーバー。負荷を与える度にキャリアーが声にならない声をあげる。
 
ぐったりと荷物と私、電車に乗り込む。最後尾車両補助席窓際を確保。ホッとする。立ちっぱなしは酷な話だ。ちょっとした安堵の中、メールなどの確認を。
 
三宮を過ぎる。人の乗り降りは未だ激しい。荷物の大きさに引け目を感じたふりをしながら、やはり同じ座席頑張って陣取っている。みんな疲れているのだなぁ。明らかに酔いが顔面から発揮している人もいる。隣の座席の女の人が我が肩にその頭を持たせかけてきた。お疲れさん。
 
ライブの余韻、物思いに耽る。今日の演奏はどうだったとか、対バンはどうだったとか。そういえば、対バンに梨華ちゃんヲタがいて、嬉しかったりしたのだった。日常でヲタと邂逅。まぁライブは日常とは少し違うか。同じライブハウス、れいなライトヲタに会ったことがあったのだけれど、そういうのそれっきりだったし。私の右腕が生暖かい。
 
私の右腕が生暖かい。
 
それは隣の女の人の鼻息の作用によるものだ、ということに気づく。おねーさん持たれかかりすぎですよ。これじゃあ僕達カップルみたいじゃないですかまるで、自意識が囁く。女の人の頭は依然と私の右肩にあり、先ほどよりめり込んでいる。
 
年の頃は30前後だろうか。ブランド物のバッグ、スーツパンツスタイル、会社帰りか。よほど疲れているのだろう。あるいは酔っ払っているのだろうか、ともかく泥のように眠ってしまっているようである。頭はめり込んでいる。「やれやれ」と空条承太郎ばりに振舞おうかしらと思ったけれど、多分どう頑張っても林家三平どまりだろうなぁと判断しやめた。
 
さて、他人の意図を感じる瞬間は、別に特別なものではない。日常の人とのコミュニケーションにおいて、それは常に生起するものだ。意図をぶつけ合ったり、かわしあったり、、、それは必然性を持ったコミュニケーションの一要素である。
 
私が彼女の意図を感じたのは、それも強烈に感じたのは、右腕の生暖かさを感じた直近であった。潜勢的な意図が外化した瞬間。「彼女は意図的に私の腕にもたれかかっている」。ひやりとしたものが体を走り抜ける。それは意図の内容というよりは、意図の過量によるものである。どうして、電車で隣に乗り合わせただけの見知らぬ他人に、これほどの意図をぶつけることが出来る?
 
ここまでなら、この話は私の妄想でおしまいチャンチャンですが、続きがあるのです。女の人の行動のエスカレーションが私の直感を証明したわけで。エロ小説風に行くよ!
 
「洋子(仮)はその身体の奥まった花弁の衝動の奴隷になっていたのである。隷属した身体。二元論は崩壊したのだわ、と洋子であって洋子でないその衝動は思い浮かべようとした、がうまくいかないのはまさに精神の消滅を暗く示すようであった。最早衝動そのものである洋子の手は電子楽器を積んだキャリアーを構成する縦の棒をさぐりあてる。そのうつろにひんやりした感触は逆に花弁の衝動を烈火であぶりだしたのだった。おもむろにその手はその棒をつまみ、つまみなおし、まるで正確な計量作業のように、やがてその形を決める。そしてとても緩慢な上下運動が始まるのであった。つまんだ手の形は崩れることなく、深く棒を上下にこすり、熱を与えていく。棒と手の温度がシンクロしていく。花弁から染み出る蜜をここに塗りつけたいと衝動が言う。それは潤滑油としてこの運動を促進するだろう。
衝動の次のターゲットは男の手の甲であった。黄がかった緑の肉厚を持つ血管が浮き出ているその手。洋子は、手は、むしゃぶりつかざるをえなかった。先ほどの上下運動の惰性のようにそれは男の手を優しくさすりあげ、花弁の結合を夢見ている。運動は加速の一途をたどった。(おしまい)」
 
事実としては衆人環視のもと、女の人がキャリアーの棒をさすりだして、その後私の手をさすりだして、15分ぐらいためつすがめつ。私はあくまでまぶたを万力の如くしめて寝たふりかまして、頭の中では
 
 
「HELP!!」
作詞:つんく
 
HELP!HELP!
DANGEROUS EARTH
 
HELP!HELP!
THE EARTH CRIES
 
 
って流石にそこまで余裕はなかったけど、あれだ誰も助けてくれなんかしねぇよ。ってか誰がこの状況を危機だと、客観的に判断できるだろうか、できない。というかお幾らですか、このプレイは。あぁこれがハロプロメンバーとのプレイだったらなぁ、こんこんがごっちんがそのグラマラスボディを押し付けてきてくれるならなぁ。それで結局、下車駅に到着、何故か「すいません」と言ってクールに立ち去ったという話。
 
 
ひそかに勃起しちゃったのはれいなに内緒だよ!
これが私の品性の限界だ。
 
 

 
「前歯折るよ!」